DANCE HISTORY OF A MAN

0041_チャンピオン大会

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Dance History Of A Man
DA DA 00
決心を固めた私は、とりあえず目の前の課題から片付けなくてはならなかった。
と言うよりも、チャンスの一つがすぐに訪れた。

 

DA DAのチャンピオン大会である。

 

確か、10週分のチャンピオンを集め、グランドチャンピオンを選出していた。
以前までは、グランドチャンピオンや特別賞を受賞したダンサーはZOOのメンバーになったり、また違った形で番組レギュラーとなる場合があった。
われわれのクラブ遊び仲間にも一瞬だけではあったが、ZOOの妹分的存在として扱われていた子がいた。
とにかく、「印象に残るダンサーとなって、番組に関われる存在となり以後の活動に少しでも有利にしなくては・・・」と考えた。

 

しかし、どのようにこのチャンピオン大会を闘うべきかは全くもって分からない。
何かの賞狙いか、それともグランドチャンピオンをひたすら狙うか・・・
具体的なプランが出来ないまま、当日を迎えた。

 

やはり、以前ウィークリーチャンピオンになった時と同様、細かい記憶がない・・・。
いや、忘れようとしたのかも知れない。

 

結果は惨敗。

 

グランドチャンピオンどころか、特別賞すら獲れなかった。

 

まず、スキルの乏しさを感じた。
そして、作戦不足というか、狙いが中途半端な状態で何を求めて踊ったのか意味不明だった。
もし現在の私が審査側だったら、記憶にも残らない存在であっただろう・・・。

 

一つ良かった事は、仲間の一人が準グランプリを受賞。
後に私とチームを組んでダンス業界に挑むSIVAだ。

 

しかし、この頃からグランドチャンピオンになろうが、賞を獲ろうが選出されたダンサー達の番組への関わりは無くなっていた。
番組的にはもう、充分なタレントが揃っていた訳だ。これ以上の人材は逆に持て余してしまい、統率する事が困難だったのであろう。

 

とにかく私はプロダンサーへの道を決意した直後に自分の無力さ、力不足を痛感した。
挫折までは行かないが、この失敗や、この後経験する同じような出来事が私自身を大きく成長させてくれた材料になって行く。

 

この時の失敗を反省し、何が足りなく、何をしなければいけなかったかという事をより具体的に考えるようになったのだ。
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