DANCE HISTORY OF A MAN

0013_バトル

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Dance History Of A Man

ダンスに関する情報を他のダンサー達と同じくらいに得る事が出来、そこそこ練習の成果も見え始めてきた頃、初めて自分達のサークル以外を意識して見る事が出来る様になった。

この頃の原宿は、ダンスチームというか、グループが幾つかに分かれていた。
そもそも、ダンスのグループだけではなく、ツイストを踊るロックンローラー、一世風靡劇団、バンド、竹の子族、ローラースケーター、BMX・・・ 様々なパフォーマンスが存在していた。

ダンスのグループですら10数グループあった。
仲の良いグループもあれば、派閥的な問題等で敵対しているグループも少なくなかった。

ちなみに言うと私が踊っていたこの時期、当時は全く知らなかったが、現スパルタニック・ロッカーズの宮田氏もこの場にいたそうだ。

これだけダンスグループが多いと色々と問題が起こる。ただでさえ、仲の悪いグループ同士があるぐらいだ。
平和に踊っていたグループもあったとは思うが、私がいたグループは攻撃的なメンバーが多く、映画にあるようなダンスバトルが頻繁に行われていた。

他のチームのサークルの様子を見に行く。初めはあまり気付かれないように見ているのだが、踊りがギャラリーに受けているのを見るとジェラシーを感じるのか、「俺の方が凄い事が出来る!」的なアピールをしたくなる様だ。
わざとサークルの最前線まで出て行って、そのサークルで踊るダンサーを挑発。
大体は知っている者同士なので、最初は「また、来たよ・・・」的な感じであまり相手にしないのだが、目立ちたがり屋同士だと結局白熱するバトルに展開する。

こんな調子で、お互いに行ったり来たりでグループ間です2、3人の小さな規模から、10対10位の大きな規模まで技を競い合い、自己アピール、プライド誇示のバトルが行われていた。
自分は当時、最前線でバトる勇気もテクニックもなかったのだが、他のメンバーのおかげで、というか、せいでバトルは何度も経験した。
メンバー間で、私は最年少と言う事が売りだったらしく、誇れるほどのテクニックはなくとも結構参加させられたのを覚えている。

そして、誰がジャッジする訳でもないこの草バトルは、踊るだけ踊ったらお互いに疲れて引き分け。その時だけ仲良しムードが流れるパターンと、白熱しすぎてそのままリアルなケンカに発展する場合があった。
ケンカになったら、それこそ大騒ぎで、警察が登場する事も少なくはなかった。
私は都合の良い事に、ケンカになれば守られて、警察が来れば一番に逃がされた。
私の年齢を考慮してか「おミソ」存在だった・・・   (特はしてるけど、カッコ悪い・・・)