DANCE HISTORY OF A MAN

0058_反響

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Dance History Of A Man

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「DANCE DANCE DANCE」の番組出演で得た経験は確実に私達を向上させていた。
毎回、番組やイベントに関わる度に良く成長出来たものだ。(笑)

当時の私達は、刺激を求める事は勿論だが、それ以上に経験を欲していた。
この様な経験を積む度に、新しい事柄を自分自身の肌で覚え、前進して行くパワーに切り替えていたのだ。

番組内での勝利を得る事は出来なかったが、それ以上の収穫が我々には感じられていたのだ。

しかし、その余韻に浸っていてはその場でストップしてしまうと思っていた私達は、自らスキルアップの為の様々な課題を課しながらも今までの生活に戻った。

日常はクラブS.I.JOEの従業員と居酒屋のバイトと昼間の練習の日々だ。

ある時、JOEのバイト中に見知らぬ客から声をかけられた。
「TV見ましたよ。あなたですよね?」

深夜枠のマニアックなダンス番組でも、この頃クラブなんかに遊びに来る客層だと結構見ているものだ・・・。
ちょっと勘違いしながら優越感を覚えて調子に乗っていた・・・。
すぐに調子に乗ってしまうのは以前より変わらない・・・・笑

すると、以前から顔は知っていても話した事がない同じ世代のダンサー達が急にフレンドリーに声を掛けてくるようになった。
業界的には話題の新番組に出演し、更にクラブの従業員となれば、彼らにとっては仲良くしておく事が得策なのだろう。

まあ、ある程度の予想はしていたが、それ以上の反響に驚かされた。
この頃はまだメジャーなタレントのバックに我々のようなスタイルのダンサー達が抜擢される事もなく、ヒップホップ業界的にもメディアへの進出という意味では大きな前進だった。

「DA DA」のソロコンテストも開始当初は話題になったが、この頃では「DANCE DANCE DANCE」のショーケースのコンテストスタイルが特に話題を呼んでいた。

私は正に、渦中の人である。

番組開始直後の出演という事もあり、優勝チームではないのだが、多くのダンサーやクラバー達からチェックされていたようだ。
おかげで、この時期からダンス業界、クラブ業界において友人や知り合いが爆発的に増えた。

後に、知人が増える事によっての利点が多く感じられるようになる。有難い事だ!

この様な一見人気者(?)になった私を、クラブサイドとしても利用しないのはもったいない。
客呼びやナンパまがいな接客の道具としても店からは使われたが、まあこれは仕方のないことだろう・・・。
逆に、もっと店に恩を売っておこうと考えた。

ダンス業界での出世の為の一要素を大切にするべきと純粋に思っていたのだ。

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