DANCE HISTORY OF A MAN

0060_ショーデビューへの道

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Dance History Of A Man
Black Cat
さあ、念願のS.I.JOEのショーパフォーマンス初登場である。
話を受けてから、いかに自分達の存在を世間に知らしめるかを考え、選曲、構成を行った。
参考に出来る資料も少なく、当時まだ、素人に毛が生えた程度の私にとっては大変な作業だった。

 

構成は2曲。現在当たり前のように行われている、MIXはせずに一曲ずつ完結のモノだ。
いわゆる、シンガーが2曲歌うのと同じようなノリである。
これは当時、割と普通のショー形態であった。

 

まずは「DANCE DANCE DANCE」で使用し、我々が世に出た一発目の楽曲「FEELS GOD」のウルチミックスを選び、踊りもテレビで披露した印象的なシーンを残しリメイク。
もう一曲は当時発売されたばかりの「BLACK CAT」。
大ヒットしたジャネット・ジャクソン「RHYTHNATION」のアルバムからのシングルカットで、完全にロックな楽曲だ。
この曲は当時のS.I.JOEチーフDJ野手氏が推薦してくれた。
というよりも、「コレでやれ」と命令・・・笑

 

この頃、DJを含めJOEのスタッフは我々のグループへの協力を惜しまずにしてくれた。
彼らの豊富な知識や経験からのアドバイスは我々にとって大きな財産となり、武器ともなった。
というわけで、この頃の私なら決して選曲する事が無いであろうロックなこの曲を、情報の早いDJに強く薦められ、何も分からないまま納得し、踊る事となった。(笑)
この曲にはロックダンスの要素を多く含んだ振付をする事にした。

 

こうして、約10分のダンスショーの構成が出来上がった。

 

そして、この時より女性メンバーが加入する事となる。

 

以前より私は、女性の加入によって表現の幅が広がり、ファン層も厚くなるのではないかと考えていた。
Meguメンバーのササボーの彼女、MEGU。当時高校3年生、18歳である。
彼女は、我々の練習に付き合って、見て真似するうちに自身の柔軟な感性で、必死に練習する我々よりも早く身に付けるダンススタイルがあるほどの才能の持ち主だった。
本人自身もダンスに対しての興味が非常に強く、お互いに良いタイミングであった。
こうして4人構成の新生「JAZZ BOO」が、我々にとっての聖地「S.I.JOE」でスタートする事になる。
当時のダンス業界では、暗黙の了解で集客を義務付けられる。
コレは、「どのダンスチームを出せばどれだけの集客に繋がる」「ならば、ギャラはコレだけ」「今後もお願いしよう」「もう、集客できないなら使わない」・・・などのシビアな評価に繋がる重要な事項だった。
チケットノルマのような事ではないのだが、とにかく各方面への自分達の評判の大切な要素だ。
集客はとにかく頑張った。
結果、我々への声援も増え、ショータイムも盛り上がり、知った顔が多ければリラックスした状態でパフォーマンスが出来るという事だ。
自分達自身の為にも、店へのアピールの為にも良い効果をもたらす。
まあ、人を呼ぶからには下手なパフォーマンスも出来ない。
良くなければ、チームの評判は落ち、次からは見に来てくれなくなる。
しかし、良いパフォーマンスが出来ればファンになってくれる可能性もあるし、我々のショーの度に足を運んでくれる人々も出来る。
一回一回のショーが真剣勝負だ。
ショーケースの当日まで、ダンスのクオリティを上げる努力と集客活動に力を注ぐ日々が続いた。
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