ダンスを始めて3~4ヶ月経った頃、原宿のダンス以外接したことのない私が初めてショッキングな出会いをする。 当時の自分にとっては恵まれていると言うか、幸運な事だった。
ダンスを始めるきっかけとなった、スポーツショップの店員が私にダンスのビデオを貸してくれた。
ダンスのビデオなんて、当時はなかなか手に入る事はない。
当時出回っていたビデオも数本で、その数本のビデオを皆が隠し持っていた為に存在すら知らなかった。
「アメリカのダンス映画で、日本では公開されていないから字幕もないけど、見る?」
「見る、見る、見る!!!」
これは、凄い事だ。ビデオを借りた瞬間に店を出て、自宅までダッシュしたのを覚えている(笑)
この映画、「BEAT STREET」である。
後に日本語字幕入りビデオも発売され、更にはDVDとなって再発された。
物語は・・・はっきり言って大して面白いものではない。
しかし、現在でもいわゆるB-BOY達の伝説とされるシーンがふんだんに盛り込まれているモノだった。
英語なんかは当然の様に理解出来なかったが、ダンスシーンの素晴らしさにド肝を抜かれた。
当時、私は現在言われているブレイキンは全く手を出してなく、立ち踊りのダンサーで、ポップとロッキンのダンサーだった。
この映画は、ブレイキンメイン。というか、立ち踊りも多く含まれてはいたが、伝説のシーン「ROXY」でのバトルが衝撃的過ぎた。
同じシーンを何度も巻き戻して、1日に50回以上は見た。
自分の周りにいたダンサー達も上手いと思っていたが、レベルが違いすぎる!(当然だが)
衝撃的過ぎる出会いであった。
BEAT STREET
1984年作品。ニューヨーク・シティ・ブレイカーズとロックステディー・クルーの伝説的バトルシーンが特に有名。
他にも現在でも活躍し、世界中に多大な影響を与え続けるダンサー達が数多く出演している。
ダンサーだけではなく、アフリカ・バンバータを始めヒップホップ界のキーマンであった多くのミュージシャン達も出演。
ダンス、DJ、MC、グラフティというヒップホップの4大要素を全て取り入れた、ヒップホップカルチャーの教科書的作品である。