DANCE HISTORY OF A MAN

0014_連合軍!?

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Dance History Of A Man

この頻繁に行われていたバトル、面白い法則があった。
普段は、原宿のストリート内でしのぎを削る者同士やりあっているのだが、「横浜のダンサーが原宿に来る」等とダンサー間で情報が流れると、普段敵対しているチームが一気に結束して迎え撃つ。
地元意識か、縄張り意識か、似たような物だが「原宿は俺達で守る」的な・・・。
チョットしたドリームチームだがヤンキーと変わらないノリ。
こうやって原宿ブレイカー連合軍対横浜ブレイカーズの構図が出来上がり、土地代表同士でバトルが行われる。
実際は本当の土地代表なのかどうなのかもわからないモノだが・・・笑

そして、今度は大阪からダンサーがやってくると言う情報が流れる。
当然の様に原宿連合軍は出来上がるのだが、そこに横浜のダンサー達も参加して、「関東連合」が出来上がるのだ!(笑)

これは情報が少ない時代、「どんなヤツなのか、見た事のないダンサーを見たい!」、ギャラリーとしての感情が現場に足を運ばせ、「どうせなら俺の存在を思い知らせてやる」という、ダンサーとしての目立ちたがり屋意識がバトルに参加させていたようだ。

どこが発信源で他の土地のダンサーが来るという情報が、流れていたのかは定かではないが、ほぼ的中してお祭り騒ぎの大バトルが行われた。
しかし、前述したように冷静にジャッジする者もいない為、グダグダな感じも否めない・・・。

一度、NYだかLAだかは忘れたがアメリカのダンサー達が原宿に来ると言う情報が流れた事があった。
この時は原宿、横浜だけではなく関西方面からも数人のダンサーが結集。
「オールジャパン?」
しかし、ガセ情報なのか、予定変更なのか、海外からの客は訪れなかった。
この時、集結したダンサー達がどんな人たちかは、当時無知な私には分からなかったが、仲間内では大騒ぎになる人物が多かったようだ。
せっかく集結したので、ダンスの披露大会が当然行なわれる。この時は、バトルというよりも仲良しムードの平和なイメージだった。

私の知らない上手い人達がこんなにいるんだと驚きながらも、ドリームチームのダンスに興奮をした。

ある日の出来事である。

私のチームでジュニアと呼ばれる、かなりイケイケなダンサーがいた。
当時TV出演などの経験もある、我がチームではエース的存在の彼が、長身の黒人ダンサーとのバトルになった事がある。

今となってはこの黒人が何者だったのか全く分からないが、当時としては相当上手いダンサーだ。

ジュニアとのバトルになる前に他のメンバーがバトったが、明らかにテクニックの差を見せ付けられそれ以上は、踊る気力も失せていた。
しかし、ジュニアは負けることが大嫌い!ダンスも技によっては良い勝負をしていた。
かなり長時間2人での真剣勝負だった。まわりで他のメンバーや、他チームのダンサーまで勝負の行方を見守っている。そして多くの一般のギャラリーも集まる。かなりの盛り上がりだ。

しかし、はずみで手が当たった、当たってないからマジケンカに展開!
相手はとにかく身体がデカく、パワーがあり、数人相手でも引けを取らない。まさに巨人が暴れる光景。

血を流してるヤツもいれば、女の子のメンバーは半ベソのヤツもいて・・・凄い修羅場だった。
いつもの様に、警察が飛んできたのでその場を皆してバックレた。
その後、この黒人がどうしたのかは分からない。

バトルって怖いモノだと感じた一件だった。