FMラジオを情報源に少しずつ曲を覚えてきた私は、ストリートで流される曲も、その都度ウザイほどに先輩ダンサー達に曲名、アーティストを聞き、メモってFMでオンエアを待つようになった。
ダンスの練習、曲のチェック、中学でのバスケの部活、忙しい毎日だ。(勉強も少し・・・笑)
ある日、ストリートで流される曲にショックを覚えた!
「このテープ、誰の?」仲間のダンサーに聞くと、「WAKAのだよ」と返事。
すぐさまWAKAに質問。「この曲は?」
当時から音楽に早い彼は、私に打って付けの情報源であった。WAKAの返事は、
「19(ナインティーン)だよ!カッコいいでしょ!」
・・・カッコいいなんてモンじゃないっ!!
只でさえ、曲数を知らない私にとって、この曲は本当にビビッときた!
この曲、ポール・ハードキャッスルの「19」!
エレクトロミュージックにラップというか、ニュースやナレーションをのせた楽曲。
詩の内容は、ベトナム戦争の悲惨さなどを訴えたものだ。
社会問題を取り上げる曲だが、ポップな楽曲と印象に残るフレーズも多く、口ずさみ易いモノで大ヒットした。
当時、各国でそれぞれの言語に訳されたバージョンも作られて発表された。
勿論、日本語バージョンも製作されており、小林完吾アナウンサーのナレーション(?)「その時、彼らの平均年齢は19歳だった」「じゅ、じゅ、じゅ、じゅ、じゅうきゅう」で話題になった。(笑)
(しかし、日本語バージョンの詞を良く聴き、当時中学生ながら戦争の悲惨さや、社会情勢、アメリカへの不信などを色々と考えたものだ。)
WAKAはこの「19」を英語、ドイツ語、日本語、それぞれ数バージョンをレコードで所有していた。
「来週、ダビングして来て!」と、ムリヤリ頼んで、46分テープに全曲バージョン違いの「19」を手に入れる!
それからというもの、自宅でも、ストリートでも「19、19、ナ、ナ、ナ、19、19」の繰り返し!
(知らない人は、聴いてみれば分かります。笑)
この曲は、今でも当時を思い出すと必ず頭に浮かぶ、私にとって最も印象深い大切な楽曲である。